09.01
Sat
世界各地で繰り広げられている,Appleとサムソンとの争い.争っている内容は場所によって様々なんですが,Appleの勝利となったアメリカラウンドでは,デザインについてサムソンはiPhoneの模倣をしている.という判断が下されました.

スマートフォンの王者と王者の争いということで,インターネット上ではそれなりに話題になっています.んでもって,某大手ポータルサイトのコメントなんかは,ヘイトスピーチの嵐.これはちょっとどうかと思うんですがorz
ただ...やっぱ,これはクロですね.真っ黒.

サムスンのiPhone模倣を比較で振り返る 判決は正しいのか?
(ガジェット速報さん)

これは私の歪んだ考え方なんですが,個人的には「盗む」のは構わないと思うんです.何でもかんでも"0"からの創造ってのはありえない訳だし.だけど,「真似る」のはダメ,っていうかカッコ悪い.



ここでガラッと話を変えて,JR九州885系特急電車という紹介します.

この車両がリリースされた当初,ドイツのICEに似ている?と一部の鉄道マニアの間で話題になりました.それもそのはず.実は885系のデザイナーである水戸岡氏はICEのデザイナーと友人で,885系に取りかかる際に「ICEのデザインを参考にする」と前もって伝えてたそうです.

20120901_1.jpg
20120901_2.jpg
(上)JR九州885系電車/(下)ドイツ鉄道ICE 3

さて,「コピーがオリジナルを超えることはない」と良く言われますが,885系の場合はどうでしょう?

オリジナルを超えてるじゃないか!

ICEもいいのですが,さらに洗練されています.
丸みを帯びた先頭形状の曲率,前面窓の膨らませ方,メインの色,縁を引き締めるラインの色...全ての"カタチ"が改めて深く検討されているのが判ります.これで充分だという作品に,良く見直して彫刻刀をひと当てした感じで,ディテールがしっかりしています.

885系は「丸みを帯びた先頭形状を持つ特急電車の形はどのようにあるべきか」というテーマに対して真正面から取り組んだ結果,生み出された車両なんです.うわべだけ「真似て」コピーをしたのではなく,「盗んだ」上に完全に自分のものとして消化し,昇華しているから出来上がったのです.
こんなカッコいい車両は評価も高く,ブルーリボン賞,グッドデザイン賞,ブルネル賞の"ハットトリック"を達成しています.



サムソンがダメだったのは,単に"真似した"だけだったこと,デザインに対する意識が低過ぎたのです.おそらく短期間で,低予算で,印象的な製品をリリースしたかったのでしょう.それなら,先行する話題作をコピーするのが手っ取り早いですから.

本気で一番になるつもりなら,「本家を越えるスマートフォンをデザインしてやる」とAppleと真っ向勝負するくらいの勢いで取りかからなければならなかったのです.時間もお金も掛けて.
そして,もし,突き抜けたものを作れていたら,評価は変わっていたと思います.例え,裁判所の評決がダメだったとしても,世間はサムソンに味方することでしょう.

でも,実際はうわべを真似ただけ.そして,このデザインに対する"低い意識"は,ユーザーにも伝染します.デザインに対する意識が低いユーザーは,当然,メーカーに対するデザインの要求は低く,要求も低いのでメーカーから生み出される製品は凡百で退屈なものになります.そこにあるのは負のフィードバック.


Appleとサムソンの裁判は今後も続いていきます.裁判の結果はどうなるかわかりませんが,メーカーとユーザーの「デザインに対する意識」という点においては,もう決着がついていると言っても過言ではないでしょう.
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