12.31
Sat
毎年,年末になると「第9」が鳴り響きます.
「第9」と言えばBeethovenの交響曲第9番.でも,今回紹介するのはBrucknerの「第9」.この曲も名曲です.

「第9」交響曲.Beethovenが人類の記念碑と言っても過言ではない第9交響曲を世に出して以降,交響曲における「第9」という番号には,単なる数字以上の不思議なものが意味付けられている様な気がします.そう,サッカーでいうゼッケン「10番」みたいな.

例えば他の作曲家の場合,Mahlerも完成させたのは「第9」まで.逆にShostakovichの場合は「戦勝記念合唱付き大交響曲」を期待されながら.彼一流の諧謔性でいなした「第9」をリリースして(これはこれで傑作),当局の逆鱗に触れたりとか...(>_<)


さて,Brucknerの「第9」.彼がこの番号に対してどのような思いを持っていたかどうかはわかりません.ただ,相当な決意があったのは選択された”ニ短調”という調性から伺い知る事ができます.これはBeethovenのそれと同じものなのです.
ただ,彼はこの曲を完成させることができませんでした.最終の第4楽章を書いている途中で天に召されたのです.この世に残っているのは第3楽章まで.第4楽章は彼が愛して止まない神様の前で完成されたのでしょう.

Brucknerの他の交響曲と同様に原始霧から始まる第1楽章は壮大です.第3主題まである大きな構造で聴き応えがあります.特に第2主題部は穏やかながら切なく好きな部分です.第2楽章は不思議な調性でふわふわした感じで,軽快さと荒々しさを併せ持っています.

そして,第3楽章.これがとてもとても美しい.
冒頭は9度上昇する跳躍進行で始まります.世界の真理を厳かに描いたという感じでしょうか.一瞬,解決したかのような明るさを見せたかと思うと,底が見えない不安が見えたりします.冒頭の主題が強奏され不協和和音で鳴るクライマックスから,最後は静かに曲は閉じられます.彼の人生を締めくくるのにふさわしい余韻があります.

なお,第4楽章はスケッチがかなり残っているということで,後世の研究家達により補筆完成版というのがあるそうです.ただ,本人の筆によるものではないのと,第3楽章がとても美しいこともあるので,聴いてないけど,ちょっと...と思っています.


今年も残すところあと1日.こちらの「第9」にも触れてみてはいかがでしょうか?
まぁ,年末でなくて良いので(^_^)
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